分子発生生物学目次 | tkomtkomtkom@OCU

分子発生生物学 

もくじ

1章 発生生物学イントロダクション

2章 筋形成の機構について

3章 筋細胞の決定にかかわる遺伝子(MyoD)のクローニング

 

1章 発生生物学イントロダクション

1.参考書

2.モデル動物:主に現代発生生物学であつかう動物は生物の種類に比べて非常に小数である。おもなモデル生物をあげその利点欠点を考察する。ゲノムの配列が決定されているモデル生物はますますその地位を確立するだろう。

3.ゲノム情報:実際にゲノム情報を得てみよう。

4.発生現象のイメージ

5.DNA makes DNA makes RNA makes Protein.

6.発生現象における根本的原理。

7.人やマウスの遺伝子の数は予想に反して2万数千種類だった。以前は10万はあるだろうと考えられていた。なぜこのような小数の遺伝子で複雑な生物現象が引き起こされるのだろうか? 

 

2章 筋形成の機構について

従属栄養生物である動物は何らかの形で食物をとって食べなくてはならない。ようするに動かなければ食料にありつけない。だからクラゲのような下等な動物でも筋肉組織を発達させている。我々は高度に・精密に発達した骨格筋を持っている。この高度な精密機械のエネルギー変換効率は70%となる。エンジンなどの変換効率に比べると比較にならない高効率精巧機器なのである。この構造がどのようにしてでき上がるのかと言う問題は実は今も謎である。

興味がある人におすすめの読み物は

細胞の運動と制御 大日方昂  サイエンス社

B5 200ページなので比較的読みやすいと思います。

1.骨格筋の構造について。

2.骨格筋の主要成分のミオシンアクチンについて説明する。

3.どのようにして筋肉は作られるのだろうか?

精製されたアクチンとミオシンは生理的塩濃度下ではフィラメントを形成する。ミオシンのフィラメントはおよそ長さがそろっている。すなわち自動集合能がある(こちらの方が不思議なんだけれど)。いっぽうアクチンは通常の化合物が重合する反応と全く同様にさまざまな長さのフィラメントを形成する(筋肉中のアクチンフィラメントの長さはきっちりそろっている)。またアクチン結合蛋白質が存在してもアクチンの長さはそろわない事も分かった。では何がアクチンフィラメントの長さを決めているのだろう?

ア)物の長さを決めるという現象を説明するいくつかの考えがある。

イ)ミオシンフィラメントにアクチンを加えて重合させると筋肉の格子構造のような構造が出来る。

上記のようにいくつかのヒントはある。アクチンフィラメントに沿って存在している蛋白質はネブリンである.いろんな生物でネブリンのサイズが調べられているのですが,いっぱんにネブリンの分子量とサルコメアの(アクチンフィラメントの)長さとに相関関係があることが知られています.だからアクチンフィラメントのものさし蛋白質はネブリンなのではないかと考えられています.それだけでなく,実際に筋肉が出来る仕組みははっきりとは理解されていないのが現状だと思います。in vitoで筋肉を作って見せた人は誰もいないのです。「どのようにして筋肉は作られるのだろうか?」という問題は相変らず重要なテーマの一つだと思います。

 

 

3章 筋細胞の決定にかかわる遺伝子(MyoD)のクローニング

(III)筋肉の発生系譜における源となる細胞はどこに由来するのか? 大阪市立大学の入試問題を見てみましょう。


© 小宮 透 2019