モデル動物 | tkomtkomtkom@OCU

おもに扱われるモデル動物の特性について表にまとめた。

  線虫 ショウジョウバエ ゼブラフィッシュ Xenopus laevis Xenopus tropicalis ニワトリ マウス

胚の数

コスト
アクセス
微小手術 限定 限定 中程度 限定
遺伝学 中程度 良(ノックアウト!)
ゲノム解析 終了 終了 まもなく終了 かなり先 進行中 終了

セッセンシャル発生生物学より参照し改変した。

線虫

ノーベル賞を取ったSydney Brennerらによって開拓された。 透明であるため微分干渉顕微鏡ですべての細胞が観察でき,すべての細胞系譜が明らかになっている。興味のある細胞をレーザーで殺す事が出来る。遺伝子の数は18000くらいと考えられている。大腸菌を食べるので非常に安上がりで飼う事が出来ます。寒天培地にはえた大腸菌の上を泳ぐ姿は美しいですよ。

ショウジョウバエ

20世紀当初より突然変異を用いた遺伝学の材料とされた(モルガン,マラー)。ルイス,ヌスラインフォルハートらによって初期発生の軸形成(前後,背腹)に関連したホメオティック遺伝子群が単離され,発生生物学は一気に進展した。現在もまだしかりである。ショウジョウバエのような下等な生物の遺伝子であっても重要な遺伝子は人やマウスにも保存されている。遺伝子数は17000とされている。なぜ線虫より少ないのだろうか? 私にも分からない。誰か教えてください。酵母抽出液の寒天培地に酪酸を入れ(?),最後にウェルチのブドウジュースを入れないとよく育たないと誰かが言っていました。うちの先生は「メラノガスター(マスター(腹グロ先生))」だとやはり誰かが言っていました。

ゼブラフィッシュ


胚が透明で観察が容易。なんといっても脊椎動物。ショウジョウバエのヌスラインフォルハートらはゼブラの大規模ミュータントプロジェクトを進めている。

 

アフリカツメガエル(Xenopus laevis)


卵が大きく(直径1ミリちょっと),胚の操作が容易である。でも偽4倍体で遺伝学が大変。子供を産むまでに2年近くかかる。Xenopus tropicalisは2倍体でかつ受精後半年で子供を産む。ゲノム情報も進展している。laevis同様マニピュレーションもしやすくモルフォリノオリゴを用いたノックダウン実験も可能なので今後実験動物として期待できる。laevisは業者に頼むと大きなもので♀は2000円。♂は? ♂はいつも安い。1000円です。tropicalisはバイオリソースセンターより研究用にかぎって無料で供給してもらえる。ただし送料は自己負担。

Xenobase: a Xenopus web resource

http://www.xenbase.org/

ナショナルバイオリソースプロジェクト

http://home.hiroshima-u.ac.jp/~amphibia/NatBio/

ニワトリ

殻を割って内部を観察したり,Electroporation法で遺伝子を導入できる(trangent)。サランラップでフタをしてさらに発生を進ませる事が出来るのでリアルタイムで発生を観察できる。受精卵1コ100円なり。ヒヨコは♂10円。♀は売ってくれない。夜店で売っているヒヨコは全部♂です。つがいでいかが?などとだまされはいけません。

マウス

マウスは何と言っても人に近い。人の病気などの研究の基盤のモデル動物である。特質に値する事はES細胞を用いたノックアウトマウスが作製できる事である。遺伝子は人と同様に2万数千と考えられている。

no iframe

© 小宮 透 2019